7.ブランディングのメリット

これまで説明してきたブランディングについて、企業から見てどのようなメリットがあるのか、インナーブランディングの観点を含めてご紹介します。
 
さて、ここで質問。

たとえばあなたが最寄りのスーパーで「ごま油」を買おうと思った時、どれ位の時間で決めているでしょうか。
 
即断即決の人もいれば、ごま油にはかなりこだわりがあって悩むという人もいるでしょう。
 
実際に購入に至るまでの時間は人それぞれですが、認知として人は購買の判断そのものは数秒でしていると言われています。
 
ブランディングのもっとも大きなメリットは「差別化により選ばれやすくなること」です。
 

1.競合商品・サービスとの差別化

また、ブランドに力を入れている企業の代表格であるアップルの「iPhone」は、サムスンやLGなど他のスマートフォンメーカーの製品と比較して価格が高いことでも有名です。
そんな中、日本におけるiPhoneのシェアはなんと70%。これもブランディングのなせる業です。
 
「たしかに安いけれど、なんとなく韓国や台湾メーカーのスマホは不安だな…」
という人は多いのではないでしょうか?
 
2.付加価値の向上と価格決定権
 
ブランディングをすることにより、安心感・信頼感を持っていただくことができます。
結果として、消費者に納得してもらえるもっとも高い価格での販売を実現できるのです。
 
3.法的保護

一見目立たないメリットですが、これもとても大切です。
ブランドとして確立すれば、登録商標、著作権など各種法的保護を受けることができます。
 
 
さて、ここまでは対消費者に向けたブランディングのメリットをお伝えしました。
 
前回お話しした通り、ブランディングとは企業の「こう思われたい」と消費者の「こう思う」を一致させる活動でしたね。
 
これらの「こう思われたい」を伝えるのはあくまでも企業の社員です。
 
今はSNSが浸透し、会社の内部がこれまでよりもとても良く見える時代。
ブランディングにより得られる、社内向けのメリットも大きなポイントになるのです。
 
4.社内の意思統一と社員モチベーションの向上

より差別化されたブランディングは、自社内も変えていきます。「どう思われたいか」を明確にすることにより、社内での一体感を高めることができるのです。
 
自社がブランド価値を発信することにより、その価値に共感する人たちも集まりやすくなるため、以下のメリットも生まれてきます。
 
5.採用活動の効率化
 
私は大企業だけではなく、中小企業にこそブランディングが必要だと考えています。
日本における法人の98%を占め、経済を底支えする中小企業がブランディングをすることにより、新しい価値に共感する人々が大企業にはない生きがいや働き甲斐を見出すことができるのではないでしょうか。
 
以上、消費者向けと社内向けに分けてブランディングのメリットをご説明しました。
この他にも販促予算の削減や、Web広告における指名買いの増加など、さまざまなメリットがあります。
 
単なるデザインやイメージの統一ではない、より深いブランディングの必要性を感じていただけましたでしょうか?
 


<まとめ>
■ブランディングのメリットは対消費者、対社内の2方向がある
■ブランディングにより消費者から選ばれやすくなる、価格決定権が得られるなどのメリットがある
■社内向けには意識の統一や採用活動の効率化という効果が得られる