うめきた未来会議MIQS(ミックス)

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3月22日、大阪梅田のナレッジキャピタルで開催された「うめきた未来会議MIQS(ミックス)」に参加しました。

MIQSは「日本のクリエイティブ」をテーマとして、ファッション、伝統芸能、漫画などさまざまなジャンルのクリエーターがプレゼンするイベントです。

それぞれの持ち時間は15分。短いとみることもできますが、その分コンパクトで凝縮された内容に感じました。

以下簡単な所感。

■ファッションジャーナリスト 生駒 芳子氏
「日本文化が世界を救う10個の宝」をテーマにプレゼン。
精神性からサービスに至る様々な日本的なものを「ディテールの美」と俯瞰的に解説しながら、現在の日本文化におけるブランディング要素の少なさに警鐘を鳴らしています。
「経済は文化の僕である」という言葉を引き合いに、日本文化を継承していくことの重要性を説きました。

■コルク代表 佐渡島 庸平氏
「宇宙兄弟」「ドラゴン桜」「働きマン」などを送り出した敏腕編集者が「社会を編集する」というテーマでプレゼン。
現在手掛けている「インベスターZ」を例として、現在スマホやネットによって大きく変わりつつある産業構造に対する独自の考えを述べました。
「今世界は大きく変わりつつあり、この世界で新しいものを生み出していくためには1,000の仮説と失敗をしなければいけない。だから講談社をやめて小さい組織を作った」
という言葉が印象的でした。

■浪曲師 春野 恵子氏
現在伝統芸能として衰退をたどる浪曲の魅力、またクラウドファンディングにより世界へ発信する自身の取り組みをテーマにプレゼン。
和式ミュージカルとも呼ばれる浪曲の特徴を活かした英語化や現代シナリオ化など、現在のトレンドに受け入れられるような創意工夫を凝らしている点は、その他の衰退産業にも取り入れられるアプローチだと感じました。
また、クラウドファンディングという手法については、「普通にお金を集めるのではなく、社会的に注目していただく形でお金を集め、できるだけ多くの人に浪曲の魅力を知っていただくことに努めたかった」という言葉が印象的でした。

■華道「未小流笹岡」家元 笹岡 隆甫氏
「いけばなに未来はあるか」というテーマでのプレゼン。
笹岡氏が実現したい2つのこと、「東京五輪での花手前披露」と「いけばなの義務教育化」。特に2つ目は一見突拍子のないことに感じられてしまいましたが、いけばなの中に含まれる論理性と哲学、日本的な時間経過の概念などは、まさに今求められている持続可能なデザインの一つとして、多くの方が理解していくべきもののように感じられました。
語り口はとても静かでしたが、私個人として一番感銘を受けたプレゼンでした。

■京料理 木乃婦三代目若主人 高橋 拓児氏
「料理の科学的アプローチ」をテーマにプレゼン。
「調理場は実験室であり、お客様は被験者」、「料理人は研究者でありアスリート」など、言葉の再定義をとても魅力的に表現するプレゼン手法が印象的でした。
内容としても非常に面白く、料理人が極めるべき五感と空間の与える影響について、「経験と勘」だけではない科学的要素を含めてわかりやすく解説していました。
嗅覚(香り)は40万種に対して味覚は5種類しかないという点は、漠然とは知っていながら具体的に数値を知ると少々驚きがあります。
また、「空間の美」が交感神経による「興奮」が味覚を刺激するという点についてもなるほど、と思わせられるものがありました。

最後まで参加できなかったのですが、非常に刺激的な時間でした。
また機会があればそれぞれの方について、掘り下げたお話しをお伺いしたいと思います。

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