前回、「ブランド」とはどんな状態?」では
1)ブランドとは消費者起点の概念である
2)ブランドとは「識別」である
というお話をしました。
この中でまず意識していただきたいのは、「消費者が識別しない限りはブランドではない」ということです。
「消費者が識別していない状態」のことを「ブランド・ゼロ」と表現します。
私たちはここから消費者へ訴えかけて、ブランドとして識別してもらえるようにしていく必要があります。
識別してもらうということは、認知されるということでもあります。
つまり、消費者の「心象」、心のイメージに対してアプローチをしていく必要があります。
このために私たちがしなければならないのは「刺激の設計」ですが、それについては次回お話をします。
識別をしてもらうための方法はいくつかありますが、ここで質問です。
昨年ニュースをにぎわせた大手広告代理店の過重労働の件は、覚えている方も多いことと思います。
https://www.huffingtonpost.jp/2017/09/22/dentsu_a_23218906/
このニュースを見たとき、あなたはどのように感じたでしょうか?
「やはり広告代理店は厳しいものだ」
「この会社には入りたくない」
など、様々な印象を持たれたと思いますが、総じてこの企業のサービスに否定的なイメージを持たれた方が多いのではないでしょうか。
ブランドとは識別という話をしましたが、この場合、ブランドマイナスとして識別されているという事になります。
反対に、東日本大震災の時に通信会社の社長が個人として100億円を寄付したことは、おおむね好意的に捉えられたのではないかと思います。
(サイト上で使途が公開されています)
https://www.softbank.jp/donations/?page=list_son.html
この状態は、ブランドプラスであるといえます。
つまり、私たち企業は消費者に識別される必要がありますが、あくまでブランド・プラスとして識別される必要があるということです。
最近では炎上マーケティングなど、ネット上で話題になることだけを狙った手法もありますが、ブランドプラス/マイナスの観点から考えると、危険な手法であるといえます。
<まとめ>
■ブランドは消費者の「心象」で創られる
■ブランドにはゼロ、プラス、マイナスがある
■ブランドは消費者に対してプラスのイメージで識別される必要がある